今回は、デプス「ヒュージカスタム ジェノマ HG3-65F」のインプレッションをお届けします。
ビッグベイトやジャイアントベイトを扱うロッドといえば、7フィート半から8フィートクラスの長く重い竿が一般的です。しかし、僕らオカッパリを主戦場とするアングラーにとって、その「長さ」は時に致命的な弱点になります。
後ろは木で覆われ、頭上にはオーバーハング。そんな狭いスペースから、どうやって200gのルアーを正確に放り込み、意のままに操るのか。
その極端な要求に対する最適解が、この6フィート5インチの3ピースモバイルロッド、ジェノマ HG3-65F です。
カタログスペックの罠と、操れるルアーのリアルな境界線
まずはスペックを確認しておきましょう。
| 項目 | スペック詳細 |
| 全長 | 6フィート5インチ |
| 継数 | 3ピース(仕舞寸法 688mm) |
| ルアー重量 | 1オンス 〜 14オンス |
| アクション | XXX-Heavy Fast |
ルアーMAX14オンス(約400g)というバケモノのような数字が目を引きますが、現場での結論を言うと、14オンスはあくまで「ぶら下げて投げられる」限界値。
ルアーとして水中で「操る」なら、上限は200gクラスまで。下限はロッドが仕事をし始める2オンスクラスからといったところです。
こう聞くと極端な専用機に思えるかもしれませんが、実際のところ汎用性は十分広いです。はっきり言って、この価格帯のロッドとしては大いに褒めていいレベルの完成度を誇ります。その十分な対応力の広さを持ち合わせながらも、このロッドはオカッパリにおいて「他のどんなロッドにも真似できない最強の武器」を持っています。
「短さ」こそが正義。ジャイアントベイトを「取り回す」快感
このロッド最大の武器は、6フィート5インチという短さがもたらす「圧倒的な取り回しの良さ」です。
正直に言います。いくら短いとはいえ、200gクラスを一日中ジャークすれば、普通に手首はいかれます。そこは逃れられないジャイアントベイトの宿命です。
しかし、8フィートクラスの長いロッドでは物理的に不可能だった「動き」が、このレングスなら可能になります。
例えば、大江川の護岸沿いや、後ろがブッシュで塞がった状況でのコンパクトなサイドキャスト。あるいは、頭上の枝を避けながらのアンダーハンド。長い竿なら後ろの木を叩いてしまうような狭いスポットでも、この HG3-65F ならストレスなく振り抜けます。
オカッパリという制限だらけのフィールドで、この「取り回しの自由度」がどれほどのチャンスを生み出すか。アングラーなら想像に難くないはずです。
カバーの最奥を射抜く、狂気的な近距離アキュラシー

そして二つ目の武器が、ショートレングスが生み出す「近距離での抜群のアキュラシー(正確性)」です。
野池の入り組んだレイダウンや、複雑なオーバーハングの下。デカバスが潜むそんなピンスポットに、重いルアーを静かに、かつ正確に送り込む。
短いブランクスはルアーの重みをコントロールしやすく、リリースポイントが明確です。狙った隙間の奥の奥へと、吸い込まれるような低弾道でジャイアントベイトを撃ち込める。
着水音を極限まで殺し、カバーの際で鋭く仕掛ける。この「近距離での狙撃」ができるのは、このレングスだからこそ。長いロッドを振り回す大場所の釣りとは一線を画す、極めて攻撃的な近接戦闘が可能になります。
機動力を極限まで高める、隠し持てる大砲
さらに、仕舞寸法688mmの3ピースというサイズ感が、この釣りを完璧なものにします。
大きめのバックパックに忍ばせておき、道中は通常のタックルで釣り歩く。そして、ここぞというドン深のカバーを見つけた瞬間、バッグから HG3-65F を取り出して組み立てる。
「最悪、投げられる」という妥協ではなく、「本気でピンスポットを撃ち抜き、仕掛けて獲るための専用機」を常に背中に隠し持っていられる。この機動力は、まさにオカッパリの暗殺者の武器です。
まとめ:常識を粉砕する、近距離戦の最適解

デプス ヒュージカスタム ジェノマ HG3-65F。
モバイルロッドは弱いという常識をへし折り、圧倒的なパワーと取り回しの良さを両立させた狂気のロッドです。
オカッパリという制限された環境のなかで、誰よりもデカいルアーを正確無比に撃ち込み、思いのままに操ってデカバスを狂わせる。
手首への負担を覚悟してでも、その先の「一投」をねじ込みたい。そんな熱いアングラーにとって、これほど頼もしく、これほど戦略的な右腕は他にありません。
以上、ありがとうございました。
